大店法規制緩和の影響


いまの「大店法」によるきびしい規制は、大型店を保護しているという意見も強く、いずれアメリカ並みのストマック・ウォーズの時代がやってくるでしょう。


そのときはメーカー側も対応を考えなければならなくなります。


「大店法」とは、「大規模小売店法」の略です。


小売店は売場面積の規模によって分類されています。


つまり、大型店の一種は、売場面積が1500平方メートル以上で、設置の申請書を通産省に提出しなければならないことになっています。


大型店の2種は、500平方メートル以上、1500平方メートル未満で、申請書を県に提出しなければなりません。


また中型店は300平方メートル以上、500平方メートル未満で、市町村に申請書を提出しなければなりません。

安保理の拒否権 4

再びべーリーの調査によりますと、1979年末までに200回以上の自発的棄権のケースがあるそうです。


・・・そして、それらの棄権は安保理の決定の成立になんら影響を及ぼさないということになっているのです。


なお、1971年には、国際司法裁判所が、常任理事国が棄権してもいいということを認定しています。


したがって、この問題は歴史的、法的に決着がついているといえます。


安保理の決定は、加盟国に対して拘束力を持たない場合と持つ場合との2とおりに分けることができます。


拘束力を持たない決定は「勧告」という形をとります。


非常に多くのケースに勧告が行われてきましたが、紙幅の関係もありますので、省略します。

安保理の拒否権 3

問題によっては、大国が拒否権を行使しないで決議が成立し、国連として活動してきたケースがかなりあります。


ただし、大国の協力、あるいは少なくとも積極的な反対がない場合に限られるという意味では、大国の影は大きいということも正しく認識しておく必要はあります。


安保理の投票に関しては、棄権の問題もあります。


とくに実質事項に関する大国の棄権がどういう法的意味を持つかという点が時に問題になります。


実質事項に関する決定は、「常任理事国の同意投票を含む9理事国の賛成投票によって行われる」(第27条3項)とあります。


憲章を制定したサンフランシスコの会議ではかなり議論があり、5大国が秘密会合をして、アメリカの提案ですべてを含むということでいったん意思をまとめました。


ところが1946年4月に、ソ連が棄権し、安保理がこれを認めました。


その後も、他の常任理事国も含め、棄権のケースが頻発しました。

安保理の拒否権 2

アメリカの57回は半数近い数になっています。


大国は、どういう場合に拒否権を行使してきたのでしょうか。


容易に想像がつくことですが、大国の利害、関心が深くかかわる場合には拒否権の行使が増えます。


具体例でいいますと、ハンガリー(56年)、コンゴ(60年代前半)のようなときには、大国がお互いに自分の影響力を残したいために拒否権で葬り去ることがしばしば起こっています。


これに対して、大国の関心が弱い場合、たとえば、インドネシアの問題(チモール)とか、インド・パキスタンの紛争とか、最近ではキプロス問題、このような場合には拒否権の行使が減ります。


あるいは、大国としても手詰りの場合、これは中東問題とか南部アフリカの問題、こういうような場合も拒否権行使の回数が減るという傾向がみられます。


ここで理解しておいていただきたいのは、安全保障理事会は大国の拒否権で機能マヒに陥った組織というわけではないということです。

安保理の拒否権

拒否権については、ソ連が乱発してきたというイメージがはびこっていますが、現実に拒否権が行使されたケースをみると、必ずしもそうとはいいきれないのです。


ベーリーの研究によりますと、1986年12月31日までの期間で、全部で203の案件について、常任理事国が242回拒否権を行使したということです。


ひとつの案件に2カ国以上が拒否権を発動する場合もありますから、203の案件で242という数字が出てきます。


その内訳を見ますと、戦後最初の20年間・・・


すなわち1946年から65年にかけて、全部で111回の拒否権が行使されています。


そのうち103回がソ連で、あとはフランスが4回、イギリスが3回、中国が1回、アメリカはゼロとなっています。


ところが、残りの21年間(65年から86年)をとると、119回の拒否権行使があった中で、中国が21回、フランスが12回、イギリスが23回、ソ連は18回、アメリカは57回になっていて、ソ連自体はフランスに次いで少ないことになります。


わたしとドイツ 3

日本人の中には、何となく戦争中を引っ張って戦後を歩いている人がおり、ドイツ人と比べると、日本人には戦争に対する反省に乏しいということがいえるのではないでしょうか。


日本と違って、戦後の西ドイツが非常に力を入れてきたのは、住宅と年金です。


いちばんのポイントは、年金生活者の問題にあらわれています。


西ドイツには、インフレーションに対する根強いアレルギーがあります。


彼らは2つの世界大戦の両方に負けて、おそるべきインフレを経験しているのです。


リュックいっぱいに札束を入れて買い出しに行き、ジャガイモにかえたという苦い経験があるから、インフレだけは困るぞ、という主張は徹底しています。


年金問題も、問題の端緒もそこにあるといえます。


そこで、歴代の政府は物価の安定に最大限の配慮をしてきたのです。

わたしとドイツ 2

単純に「自由経済」と訳したほうがいいと思います。


これはマーケットにゆだねる自由経済をやれ、統制はよくない、ナチ時代の統制はだめだ、というところから出発しているのであり、要するに自由だということです。


資本の自由、貿易の自由ということを意味し、戦後まもない時期から実行されて、今日まで綿々と受けつがれてきたが、これは西ドイツの産業を強くする結果をもたらしたといえます。


ドイツ人の、ナチの統制を身にしみてよくないと考えていることのあらわれが、市場経済の考え方には反映されています。


彼らにはナチの否定が現在も発想の原点に明確に存在しており、必ずしも戦争を否定していない日本との違いを生んでいるのではないでしょうか。


日本人は集まると軍歌を歌いますが、ドイツ人は軍歌は絶対歌いません。


彼らには戦争中のナチ、ヒットラーと自分は関係ない、というアリバイを出さないと戦後は歩けないという考えが強くありますが・・・


日本には、おれは中国の○○でどうしていたとか、インドネシアの××でどうしていたとかいった具合に、戦争時代をむしろなつかしがって、おれはそこにいたということで自分のアイデンティティを主張する人びとがいます。


・・・こうした風土があるので、統制経済との決別が弱いのです。

わたしとドイツ

今でこそデュッセルドルフには日本の会社が何百とあり、日本人も7000人もいて、日本料理屋も繁盛しているようですが、当時は、日本の会社はぽつぽつといったところでした。


ただ、もうそのころ西ドイツの銀行は2週間に1回ずつ土曜日が休みになっていたから、いってみれば、4半世紀たってやっと、日本はちょうどそのころの西ドイツとほぼ同じになったわけです。


そこで私は貴重な体験をしました。


平価の切り上げでした。


私が西ドイツに行った当初、マルクのレートは1ドル=4マルク20でありましたが、その後すぐ5パーセントほど切り上げされ4マルクになったのです。


ポンドのように、切り下げというのはよくあることでしたが、その時・はじめて切り上げというものをまのあたりにし、これは大変なことだと思ったのを覚えています。


当時、西ドイツの経済運営のキーワードになっていた言葉に「社会市場経済」がありました。


「社会市場経済」というと社会主義的な統制経済と受け取る人が少なからずいますが、これは日本人的センスであって間違いです。

新しい時代との調和 2

アメリカのコラムニスト、ロバート・サムエルソンは、


「日本は、日本社会の孤立性・偏狭性とその自律性を守るために世界貿易を利用してきたのではなかったのか」


・・・と指摘しています。


日本・日本人が現状認識しなければならない第二の点は、このサムエルソンの指摘です。


第一の現状認識である、日本経済はある点で砂上の楼閣であるという現実、そして第二の現状認識です。


世界貿易の中で日本が今日までとってきた行動のこと、この2点に対して、わたしたち日本は、真摯な態度で、深く考えを及ぼすことができるならば・・・


戦後40年あまりの短い歴史的事実だけでなく、今日の現実にも謙虚でなければならないことがわかるのです。


大学を卒業して、銀行に入った私は、ドイツのいちばん大きな民間銀行のドイチェ・バンクにドイツの銀行業務を学ぶということで研修生のような格好で派遣され、およそ1年間、デュッセルドルフに滞在しました。


・・・これがはじめてのドイツ体験でした。


さらに、66年から71年まで、フランクフルトに開設された事務所の所長として、5年間あまり駐在しましたが、その後、しばしば出掛けるようになって今日に至っています。


デュッセルドルフに行った時、戦災によって壊れた建物などがまだそのままになっていたのが記憶に残っています。

新しい時代との調和

生産活動を行う際、絶対に必要なものは、資本・労働・資源の3要素です。


これらは生産の3要素といわれますが、このうちどれか一つを欠いても、生産活動はできないでしょう。


日本の産業構造は擬制の自前主義です。


これは、日本が国内に自己調達できる資源を決定的に欠いているためでありますが、これに対してアメリカは、現在、仮にバランスを崩しているにしても、生産の3要素を国内で自己充足できる国家なのです。


・・・その意味でアメリカは、真の自前主義経済が可能な国なのです。


その点、日本の経済は3つの柱すなわち、資本・労働・資源のうち、資源という柱が一本、決定的に欠ける砂上の楼閣であるといっても過言でないでしょう。


日本・日本人が、現状認識として頭のなかにしっかりたたきこんでおかねばならない第一の点は、このことです。


そして、この砂上の楼閣が可能であったのは、世界の自由貿易体制の恩恵があったからで、そして日本がそれを十ニ分に享受し、それが許されてきたのは、日本がキャッチ・アップの過程にあったからです。


・・・しかし、世界一の債権国になったいまの日本には、それだけでは許されないのです。

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