安保理の拒否権
拒否権については、ソ連が乱発してきたというイメージがはびこっていますが、現実に拒否権が行使されたケースをみると、必ずしもそうとはいいきれないのです。
ベーリーの研究によりますと、1986年12月31日までの期間で、全部で203の案件について、常任理事国が242回拒否権を行使したということです。
ひとつの案件に2カ国以上が拒否権を発動する場合もありますから、203の案件で242という数字が出てきます。
その内訳を見ますと、戦後最初の20年間・・・
すなわち1946年から65年にかけて、全部で111回の拒否権が行使されています。
そのうち103回がソ連で、あとはフランスが4回、イギリスが3回、中国が1回、アメリカはゼロとなっています。
ところが、残りの21年間(65年から86年)をとると、119回の拒否権行使があった中で、中国が21回、フランスが12回、イギリスが23回、ソ連は18回、アメリカは57回になっていて、ソ連自体はフランスに次いで少ないことになります。